「世界遺産ってなんか堅苦しい」
「世界遺産のタイトルも抽象的だし何がすごいのか良く分からない」
「解説を読んでもポイントが良く分からない」
この記事はそんな方に向けて書いています。
様々なサイトで世界遺産については説明されていますが、どのサイトも難しいです。
それは情報量が多すぎて、事前知識がないと理解しづらいからです。
この記事では、国内23の世界遺産を制覇し年間50回以上国内を旅行する筆者が、簡単に理解したいという方のために世界遺産に登録された理由をたった3行で分かりやすくシンプルに解説します。
世界遺産に登録された理由を理解すると、旅先での見方は変わります。
それは世界遺産への登録理由こそが「他の観光地とは一線を画す」理由だからです。
世界遺産の概要を理解して、ぜひ現地に足を運んでみましょう。
沖ノ島は玄界灘に浮かぶ神聖な島
[登録年]:2017年
[所在地]:福岡県宗像市、福津市
[登録区分]:文化遺産
[登録名称]:「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
沖ノ島は九州の沖合60kmの玄界灘に浮かんでいる小さな島(全周約4km)で、古代の日本人から神聖な島として大切にされてきました。
沖ノ島では4~9世紀の約500年間、国の平和や航海の安全を願う祭祀(神を敬い、まつるための神聖な行事)が行われ、祭祀のときに神に捧げられた約8万点の品々も出土しています。
沖ノ島が世界遺産に登録されている3つの理由
沖ノ島が世界遺産に登録されている3つの理由を紹介します。
沖ノ島は航海の安全や外国との交流の成功を祈る祭祀が行われた神聖な島
日本は古くから東アジアの海外諸国と交流してきました。
船で九州近海を抜け玄界灘に出ると、最初に目にするのが沖ノ島です。
山や島などの自然を神として崇める自然信仰が根付いている日本人は、沖ノ島を神が宿る聖地としてきました。
現代の航海技術とは違い、当時は遠く離れた大陸を目指して海を渡ることは命がけだったため、沖ノ島で航海の安全や外国との交流の成功を祈る祭祀が行われたのです。
祭祀は島の中腹の巨岩群で行われ、鏡や指輪などが神に捧げられました。
中には中国や朝鮮半島で作られた品もあり、まるでタイムカプセルのように当時の東アジアとの文化交流の歴史を教えてくれます。
これらの供え物は保存状態も良いので奈良・東大寺の正倉院になぞらえて、沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれています。
その後は島に神社が築かれ、現在も聖地であり続けています。
沖ノ島で受け継がれる厳しい掟
沖ノ島は今も神聖な島で、厳しい掟が守られています。
- 女人禁制である
- 男性も年に一度、200人しか上陸できない
- 上陸前には海水に浸かって穢れを落とす「みそぎ」を行う
- 上陸時に見聞きしたことは誰にも話してはいけない
- 島のものを持ち出していはいけない
このような厳しい掟によって、沖ノ島は太古の昔からベールに包まれていました。
簡単に人々が立ち入れないことも沖ノ島が当時の姿をそのままに残すことができる大きな理由です。
しかし世界遺産登録後は、島をより一層保護するために一般人の上陸を全面的に禁止しています。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産
一つの世界遺産にはいくつかの建築物が登録されている場合があり、それを「構成資産」と言います。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は合計5つの構成資産から成り立っており、沖ノ島だけではなく九州本土にある神社や古墳群も構成資産のひとつです。
宗像大社(3つの構成資産を含む)
宗像大社は国家の守護神である三柱の姫神(宗像三女神)を祀っており、海上の安全を守っています。
宗像大社は、沖津宮・中津宮・辺津宮という3つのお宮の総称でそれぞれが独立した構成資産です。
- 沖津宮(場所:沖ノ島)
- 中津宮(場所:大島)
- 辺津宮(場所:九州本土の田島)
9世紀になると祭祀の中心は九州本土の辺津宮に移されました。
3つの神社は一直線に並び、その先は朝鮮半島にぶつかります。
これは古代の日本人の航海ルートを示しています。
宗像大社沖津宮遙拝所
普段沖ノ島に上陸することはできないので、代わりに大島にある宗像大社沖津宮遙拝所をお参りします。
遙拝とは遠くの場所から拝むという意味です。
新原・奴山古墳群
新原・奴山古墳群は玄界灘に近い九州の高台にある、海を見渡す古墳群です。
当時宗像地域一帯を支配した宗像氏の墓や儀式の場が残る遺産です。
宗像氏は海を聖なる場所と考えていたため海岸近くに古墳を作ったとされています。
まとめ
沖ノ島の紹介はいかがだったでしょうか。
簡単でもいいので世界遺産については絶対に登録理由を知ったほうがいいです。
それは世界遺産が「他の観光地とは一線を画す」からです。
この記事が、ちょっとでも目線が変わるお役に立てれば嬉しいです。
以上、<なぜ「沖ノ島」は世界遺産?その理由を3行で分かりやすく解説!>という話題でした。