「世界遺産ってなんか堅苦しい」
「世界遺産のタイトルも抽象的だし何がすごいのか良く分からない」
「解説を読んでもポイントが良く分からない」
この記事はそんな方に向けて書いています。
様々なサイトで世界遺産については説明されていますが、どのサイトも難しいです。
それは情報量が多すぎて、事前知識がないと理解しづらいからです。
この記事では、国内23の世界遺産を制覇し年間50回以上国内を旅行する筆者が、簡単に理解したいという方のために世界遺産に登録された理由をたった3行で分かりやすくシンプルに解説します。
世界遺産に登録された理由を理解すると、旅先での見方は変わります。
それは世界遺産への登録理由こそが「他の観光地とは一線を画す」理由だからです。
世界遺産の概要を理解して、ぜひ現地に足を運んでみましょう。
「古都京都の文化財」とは
古くから日本の政治・経済の中心として栄えた京都は日本で5番目の世界遺産として登録されました。
各時代の建築様式、庭園様式、文化的背景を今に伝えています。

京都府京都市、宇治市、滋賀県大津市に点在する合計17の建築物が世界遺産に登録されています。
[登録年]:1994年
[所在地]:京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市
[登録区分]:文化遺産
世界遺産の登録理由

なぜ「古都京都の文化財」が世界遺産に登録されているのか?
理由は以下の3つです。
理由①建築や庭園をはじめ、現在まで通じる文化の源であるから
京都は794年の平安京遷都から1867年の大政奉還まで、約1000年もの間、日本の政治・文化の中心地として栄えてきました。
平安時代から江戸時代にかけて、天皇を中心とする貴族文化や武士を中心とする武家文化が同時に栄えたため、現在にも続く日本文化の源流が数多く存在しています。
理由②自然環境と融合した景観は日本独自の精神性や文化を表しているから
日本人は昔から自然を大切にしてきました。
京都にある建築物や庭園、美術作品には移り変わる自然が見ごとに調和されているものが多く、日本独自の奥ゆかしさや優しさ、清らかさなどの精神性が表れています。
理由③平安時代、室町時代、江戸時代など各時代の建造物が多く残されているから
京都には各時代の文化が色濃く反映された建築様式が数多く残っています。
点在する構成資産をめぐることで、1000年の歴史を感じることができる世界的にも稀な世界遺産です。
「古都京都の文化財」の構成資産
一つの世界遺産にはいくつかの建築物が登録されている場合があり、それを「構成資産」と言います。
古都京都の文化財は合計17の構成資産から成り立っています。
これらの構成資産は、世界遺産「古都京都の文化財」の1つの物件として登録されていますので、単独での登録理由はありません。
京都府京都市
賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)(上賀茂神社)

- 京都でもっとも古い神社で、賀茂川の上流にあるから「上賀茂神社」と呼ばれている
- 別雷神の名から雷を別ける「雷除け」で信仰を集めた
- 自然物や自然現象を神として祀っている(自然神)
施設名:賀茂別雷神社(上賀茂神社)
住所:京都市北区上賀茂本山339
電話:075-781-0011
交通:市バス「上賀茂神社前」下車すぐ
時間:5:30~17:00
料金:境内無料、本殿拝観料 500円
定休日:なし
駐車場:170台/30分100円
HP:https://www.kamigamojinja.jp/
賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)(下鴨神社)

- 賀茂川の下流にあるから「下鴨」と呼ばれるている
- 一族の祖先を神として祀っている(祖先神)
- 上賀茂神社と下鴨神社の両方を合わせて「賀茂社」となる
施設名:賀茂御祖神社(下鴨神社)
住所:京都市左京区下鴨泉川町59
電話:075-781-0010
交通:市バス「下鴨神社前」下車徒歩約3分
時間:6:30~17:00
料金:境内無料、大炊殿拝観料 500円
定休日:なし
駐車場:300台/30分200円
HP:http://www.shimogamo-jinja.or.jp/
教王護国寺(東寺)

- 都を守るため、「西寺」とともに平安京の入口の羅城門を挟んで建てられた
- 弘法大師空海によって管理され、栄えた
- 現存する木造塔では日本一の高さを誇り、その耐震構造は東京スカイツリーにも採用されている
施設名:教王護国寺(東寺)
住所:京都市南区九条町1番地
電話:075-691-3325
交通:JR「京都駅」下車徒歩約15分
時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
料金:境内無料、金堂拝観料 500円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://toji.or.jp/
清水寺

- 平安時代に不殺生の大切さを学んだ征夷大将軍・坂上田村麻呂が開いた
- 何度も戦火に見舞われ焼失するが、徳川3代将軍・徳川家光によって現在の姿に再建される
- 清水の舞台は釘を1本も使わずに139本の木材(けやき)同士を組み合わせて作られている
清水寺の夜間拝観に行ってみた記事はこちら!!
施設名:清水寺
住所:京都市東山区清水1-294
電話:075-551-1234
交通:市バス「清水道」・「五条坂」下車徒歩約10分
時間:6:00~18:00(季節変動あり)
料金:拝観料 400円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://www.kiyomizudera.or.jp/
醍醐寺


- 醍醐天皇の冥福を祈るため建設された
- 病気を癒し、苦しみを除くとして古くから人々の信仰を集めてきた
- 京都で最古の建造物と言われている境内の五重塔はその美しさから、法隆寺、瑠璃光寺とともに「日本三大名塔」に数えられている
施設名:醍醐寺
住所:京都市伏見区醍醐東大路町22
電話:075-571-0002
交通:地下鉄東西線「醍醐駅」下車徒歩約13分
時間:9:00~17:00(季節変動あり)
料金:三宝院・霊宝館・伽藍共通 1,000円、上醍醐 600円
定休日:なし
駐車場:あり
HP:https://www.daigoji.or.jp/
仁和寺


- 仁和4年に宇多天皇によって建てられた
- 代々皇族が住職を務めてきた
- 宮廷様式の建築物や華やかな桜・紅葉、敷地の広さや庭園の美しさは優美で格式が高い
施設名:仁和寺
住所:京都市右京区御室大内33
電話:075-461-1155
交通:市バス「御室仁和寺」下車すぐ
時間:9:00~17:00(季節変動あり)
料金:境内無料、御殿拝観料 500円、霊宝館拝観料 500円
定休日:なし
駐車場:100台/500円
HP:https://ninnaji.jp/
高山寺


- 鎌倉初期の寝殿造りの面影を残し、住居建築の傑作とも名高い国宝「石水院」がある
- 日本最古の漫画とも言われる国宝「鳥獣戯画」がある
- お茶の発祥地でもあり、毎年5月に茶園で茶摘みが行われている
施設名:高山寺
住所:京都市右京区梅ケ畑栂尾町8
電話:075-861-4204
交通:JRバス「栂ノ尾」下車徒歩約3分
時間:8:30~17:00(季節変動あり)
料金:石水院拝観料 800円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://kosanji.com/
西芳寺


- 35,000平方メートルもの広さがある庭園は、約120種類のコケで覆われていることから「苔寺」と呼ばれている
- 応仁の乱による戦火で被害を受けてから少しずつコケが生えるようになった
- 池を使った池泉庭園と砂・岩を使った枯山水庭園の両方をあわせもつ
施設名:西芳寺
住所:京都市西京区松尾神ヶ谷町56
電話:075-391-3631
交通:京都バス「苔寺・すず虫寺」下車徒歩約3分
時間:事前申込み制
料金:拝観料 3000円
定休日:8/14、12/30、12/31
駐車場:なし
HP:http://saihoji-kokedera.com/
鹿苑寺(金閣寺)


- 室町幕府3代将軍・足利義光によって建てられた
- 1階は寝殿造り(貴族)、2階は書院造り(武家)、3階は仏殿造り(寺院)になっている
- 異なった造りの3層にすることで、足利義光はその頂点であることを示した
施設名:鹿苑寺(金閣寺)
住所:京都市北区金閣寺町1
電話:075-461-0013
交通:市バス「金閣寺道」下車徒歩約5分
時間:9:00~17:00
料金:拝観料 400円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/
慈照寺(銀閣寺)


- 室町幕府8代将軍・足利義政によって建てられた東山殿が、義政の死後に寺院に改められた
- 祖父である足利義満が建てた金閣寺をモチーフにした
- 東山殿は足利義政にとって政治や家族のわずらわしさから逃れる癒しの隠れ家的存在だった
施設名:慈照寺(銀閣寺)
住所:京都市左京区銀閣寺町2
電話:075-771-5725
交通:市バス「銀閣寺道」下車徒歩約10分
時間:8:30~17:00(季節変動あり)
料金:拝観料 500円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/
天龍寺


- 室町幕府を開いた足利尊氏が、後醍醐天皇を弔うために建設した
- 池を使った池泉庭園の代表作である
- 池の背景に構える山並みを庭の一部として取り込んでいる(景色を借りると書いて借景という)
施設名:天龍寺
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話:075-881-1235
交通:JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」下車徒歩約13分、嵐電嵐山本線「嵐山駅」下車すぐ
時間:8:30~16:45(受付終了16:30)
料金:庭園拝観料 500円、諸堂参拝は+300円追加
定休日:なし
駐車場:あり/1000円
HP:http://www.tenryuji.com/
龍安寺


- 室町幕府の管領(将軍に次ぐ最高の役職)だった細川勝元によって創建された
- 砂・岩を使った枯山水庭園で世界的に有名なのが龍安寺の石庭である
- 砂や石が何を表しているのかは人によって解釈が異なる
施設名:龍安寺
住所:京都市右京区龍安寺御陵下町13
電話:075-463-2216
交通:市バス「竜安寺前」下車すぐ、市バス「立命館大学前」下車徒歩約10分
時間:8:00~17:00(季節変動あり)
料金:拝観料 500円
定休日:なし
駐車場:100台/1時間無料
HP:http://www.ryoanji.jp/top.html
西本願寺


- 鎌倉時代中期に活躍した仏教家・親鸞聖人のお墓として「本願寺」が建設された
- 大きな勢力を誇った「本願寺」を配下に収めるため、豊臣秀吉は「本願寺」を優遇した
- 元々は「本願寺」という一つの寺であったが、秀吉の死後、家督争いによって「西本願寺」と「東本願寺」に分立した
施設名:西本願寺
住所:京都市下京区堀川通花屋町下ル
電話:075-371-5181
交通:市バス「西本願寺前」下車すぐ
時間:5:30~17:00
料金:境内無料
定休日:なし
駐車場:あり
HP:https://www.hongwanji.or.jp/
二条城


- 将軍の宿泊所として徳川家康によって建てられた
- 来客や接待、生活のための空間が中心となっている
- 大政奉還(江戸幕府が政権を天皇に返した出来事)が行われ、江戸幕府が終わりを告げる場所になった
施設名:二条城
住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
電話:075-841-0096
交通:市バス「二条城前」下車徒歩約3分、地下鉄東西線「二条城前駅」下車すぐ、JR山陰本線(嵯峨野線)「二条駅」下車徒歩約17分
時間:8:00~17:00(季節変動あり)
料金:入城・二の丸御殿 1030円、入城のみ 620円
定休日:12/29~12/31、1・7・8・12月の火曜日、12/26~28、1/1~3は二の丸御殿の観覧休止(HP要確認)
駐車場:120台/1050円
HP:https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/
京都府宇治市
平等院鳳凰堂


- 末法が広まっていたため、死者を極楽浄土へ導く寺が必要だった
- 飢饉や疫病が流行っていたため、安心してあの世に旅立てるように願いが込められた
- 鳳凰堂の前には大きな池があり、全体は極楽浄土を表現している
施設名:平等院鳳凰堂
住所:宇治市宇治蓮華116
電話:0774-21-2861
交通:JR奈良線「宇治駅」下車徒歩約10分
時間:8:30~17:30(受付終了17:15)
料金:拝観料 600円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://www.byodoin.or.jp/
宇治上神社


- 鎌倉時代の初めに建てられた日本最古の神社建築である
- 世界遺産の中で、最も小さな世界遺産の1つ
- 川を挟んで平等院鳳凰堂の真向いに建っており、平等院の鎮守社(守り神)ではないかと言われている
施設名:宇治上神社
住所:宇治市宇治山田59
電話:0774-21-4634
交通:JR奈良線「宇治駅」下車徒歩約20分、京阪宇治線「宇治駅」下車徒歩約10分
時間:9:00~16:30
料金:境内無料
定休日:なし
駐車場:なし
滋賀県大津市
延暦寺


- 京都市から大津市にまたがる比叡山が丸ごと寺の境内である
- 伝教大師・最澄によって比叡山が創建されたのち、日本の国をまもる寺として大きく期待され、嵯峨天皇から「延暦」の名称を授かった
- 延暦寺は強大な勢力を持ったため、織田信長によって焼き討ちされる
施設名:延暦寺
住所:滋賀県大津市坂本本町4220
電話:077-578-0001
交通:京都バス・京阪バス「延暦寺バスセンター」下車すぐ
時間:9:00~16:30(季節変動あり)
料金:拝観料 1000円
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://www.hieizan.or.jp/
まとめ
「古都京都の文化財」の紹介はいかがだったでしょうか。
簡単でもいいので世界遺産については絶対に登録理由を知ったほうがいいです。
それは世界遺産が「他の観光地とは一線を画す」からです。
この記事が、ちょっとでも目線が変わるお役に立てれば嬉しいです。
以上、<なぜ「古都京都の文化財」は世界遺産?その理由を3行で分かりやすく解説!>という話題でした。


