Lightroomには3つのプレビューとスマートプレビューがあり、違いが煩雑で良く分からないという方も多いと思います。今回はスマートプレビューについて説明をします。
《Lightroomの3つのプレビュー》
- 最小プレビュー
- 標準プレビュー
- 1:1プレビュー
《現像用プレビュー》
- スマートプレビュー(←今回の説明)
スマートプレビューは「元ファイルは自宅の外付けハードディスクに保存したままで、ノートパソコンなど外出先で画像編集を行う」ユーザー向けの機能です。
スマートプレビューとは

写真をカタログに読み込むと、読み込み時に指定した内蔵ハードディスクドライブ(HDD・SSDなど)や外付けハードディスクドライブに写真が保存されます。カタログには元ファイルの情報がリンクされるので、Lightroomではカタログの元ファイル情報に編集を加えています。そのため一昔前のバージョンでは、Lightroomと元ファイルが保存されているハードディスクが物理的に繋がっていないと編集ができませんでした。
>>Lightroomのカタログとは?使い方を分かりやすく解説
これでは元ファイルを外付けハードディスクに保存した場合、常に外付けハードディスクとパソコンを接続しておかないと編集ができません。外付けハードディスクの場合は持ち歩きもできますが、備え付けハードディスクとなっては持ち運びもできません。
この問題を解決してくれるのが2013年リリースのLightroom5から導入されたスマートプレビューです。

スマートプレビューと呼ばれる元ファイルを編集するためのプレビュー画像をカタログに生成しておくことで、元ファイルが保存されている外付けハードディスクが繋がっていない状態でも編集ができるようになりました。イメージとしては縮小した元ファイル画像をカタログに保存している、といった感じです。
スマートプレビューを利用すれば、パソコンに物理的に接続されていない画像でも編集できるので、元ファイルは自宅の外付けハードディスクに保存したまま外出先で画像を編集することが可能です。再びパソコンが外付けハードディスクに接続されるとスマートプレビューファイルに加えた編集が自動でカタログのデータに同期されます。
カタログは内蔵ハードディスクに保存する必要がある

スマートプレビューはカタログのフォルダ内にある「Lightroom Catalog Smart Previews.lrdata」に保存されます。

スマートプレビューは元ファイルと物理的につながっていない状態でも編集を可能にする機能ですので、スマートプレビュー(=カタログのフォルダ)は内蔵ハードディスクに置くことが必要です。
スマートプレビューのメリット
スマートプレビューのサイズ容量は元の写真の約7%ほどではるかに小さいです。例えば1枚あたり14MBのRAW画像でもスマートプレビューであれば0.98MBまで小さくなります。
一眼レフで撮った写真はサイズ容量が大きいので、内蔵ハードディスクに保存しようとするとディスク容量を圧迫してしまいます。そこで元ファイルは外付けハードディスク、サイズの小さいスマートプレビューは内蔵ハードディスクに保存することでパソコンのディスク容量を減らせる、というのが大きなメリットです。
スマートプレビューのデメリット
スマートプレビューは便利ですが、機能上は多少の制限があります。それは元の写真を縮小しているため拡大表示をすると荒くなってしまうということです。具体的には通常の50%程度の情報量なので、フォーカスやノイズの調整をする時に確認が不十分です。
またライブラリモジュール用に生成されるプレビューファイルに加えてスマートプレビューが生成されるので、スマートプレビューを生成すればするほど内蔵ハードディスクを圧迫します。そのため必要なときだけスマートプレビューを生成し、不要になったら削除するという使い方が一般的です。
スマートプレビューの生成
スマートプレビューを生成する方法は2つあります。
- 写真をカタログに読み込むと同時に生成する
- すでに読み込まれた写真に対して個別にスマートプレビューを生成する
読み込み時にスマートプレビューを生成すると時間がかかるので、読み込んだ後から必要な写真だけを選択してスマートプレビューを生成する方が効率がいいです。
写真をカタログに読み込むと同時に生成する

読み込み画面での「ファイル管理」パネルにある「スマートプレビューを生成」にチェックを入れて「読み込み」をクリックします。
>>Lightroomで画像ファイルを読み込もう|読み込みウインドウの使い方
すでに読み込まれた写真に対して個別にスマートプレビューを生成する
まずはスマートプレビューを生成したい画像を選択します。

「ライブラリ」メニューから「プレビュー」を選び「スマートプレビューを生成」をクリックします。読み込みが終わると確認の画面が開くので「OK」を押してクリックして閉じます。

またはヒストグラムの下にある「元の写真」をクリックします。すると「スマートプレビューを生成しますか?」というダイアログボックスが表示されるので「スマートプレビューを生成」をクリックして生成することもできます。
スマートプレビューを確認する
写真のヒストグラムの下にあるスマートプレビューの表記を確認します。


ヒストグラムパネルの下のアイコンにポインターを重ねると「元の写真+スマートプレビュー」と表示されるので、スマートプレビューが生成されていることが分かります。

カタログのフォルダ内にある「Lightroom Catalog Smart Previews.lrdata」を確認してみるとスマートプレビューが生成されています。
スマートプレビューを破棄する
スマートプレビューを破棄する写真を選択します。

「ライブラリ」メニューの「プレビュー」から「スマートプレビューを破棄」をクリックします。続いて開く画面で「破棄」をクリックします。

またはヒストグラムの下にある「元の写真+スマートプレビュー」をクリックします。すると「スマートプレビューを破棄しますか?」というダイアログボックスが表示されるので「スマートプレビューを破棄」をクリックして破棄することもできます。
まとめ
スマートプレビューの説明はいかがだったでしょうか。スマートプレビューは主に家の外でも写真を編集をしたいというユーザー向けの機能になります。
通常自宅でしか編集しないという方には不要な機能ですので、無駄にスマートプレビューを生成してディスク容量を圧迫することがないようにしましょう。
以上、「Lightroomのスマートプレビューとは?機能と使い方を分かりやすく解説」という話題でした。
>>【徹底解説】初心者向けまとめ!Lightroom Classicの基本と使い方
