ISO感度オート設定はカメラが自動的に適正露出となるように最適なISO感度を設定してくれるモードなので、撮影に集中できるという大きなメリットがあります。
一方で必要以上にISO感度が高くなって画質低下を招くことがあるので、ISO感度の上限を設定して上限以上のISO感度にならないようにしましょう。
また低速限界設定を組み合わせて使うことで、手ぶれを防ぐことができます。
ISO感度オートは適正なISO感度を自動で設定する機能
ISO感度オートは周囲の明るさに応じてカメラがISO感度を自動で設定してくれるモードです。
ISO感度はシャッタースピードが遅くならないようにイメージセンサーの感度を良くするものなので、ISO感度をオートにしてシャッターを切れば、基本的にはブレることはありません。
ただしISO感度オートのみの設定だと感度が大きく上がることがあり、必要以上に画質低下を招くことがあります。
そこで、ISO感度の動きを調整するために以下の機能を使います。
ISO感度上限設定
ISO感度オートのときにカメラが自動でISO感度を設定してくれるのは良いんですが、極端にISO感度が大きい値になるとノイズが発生して画質が劣化してしまいます。
そこで使用するのが、ISO感度上限設定です。ISO感度上限設定は、ISO感度の上限を設定する機能で、この機能を使うと、使いたくないISO感度まで必要以上に上がらないようにできます。
たとえばISO感度上限感度を「3200」に設定したとすると、ISO感度オートでもISO 3200以上は上がらなくなります。
このように上限を設定しておくことで、自分が好まないISO感度の領域を使用しなくなります。だからこそ自分が許容できるISO感度上限値を知っておくことが重要です。
もし周囲が暗すぎて上限感度では適切なシャッタースピードにならないようであれば、ISO感度を上げる必要があるので一旦ISO感度オートを解除して手動でISO感度を設定し直します。
低速限界設定
低速限界設定は、「プログラムオート」もしくは「絞り優先モード」でISO感度オートを選択したときに、下限のシャッタースピードを設定しておく機能で、被写体のブレを防ぎたいときに使用します。
下限のシャッタースピードを設定しておくと、この値よりもシャッタースピードが遅くなる時にISO感度オート機能が働くことになります。
下限のシャッタースピードは、1/焦点距離を設定しておくのがおすすめです。1/焦点距離は手ぶれしない範囲で一番遅いシャッタースピードと言われているからです。
例えば、50mm焦点レンズを使った場合は、1/50秒より早いシャッタースピードであれば手ぶれしません。80mm焦点レンズを使った場合は、1/80秒より早いシャッタースピードであれば手ぶれしません。
ISO感度上限設定と低速限界設定の関係
仮にISO感度オートの上限をISO 600、シャッタースピードの低速限界を1/50と仮定し、ISO感度上限設定と低速限界設定の関係を図にしてみました。
①まず青色のゾーンでは適正露出が得られないほど暗くなってくると、シャッタースピードを遅くして明るい写真にします。
②シャッタースピードが低速限界の1/50に達する黄色ゾーンでは、ISO感度オートが作動し、ISO感度を高くすることで、明るい写真にします。
③ISO感度が上限のISO 600に達する緑のゾーンでは、再びシャッタースピードを遅くして明るい写真にします。
このようにISO感度上限設定と低速限界設定では、ISO感度上限設定の制限が優先されるので、ISO感度を上限いっぱい高めても適正露出が得られないときは、低速限界設定を割り込んでシャッタースピードが遅くなります。
通常撮影ではISO感度オートがおすすめ
ISO感度オートにしておけば、被写体の明るさに応じてカメラが自動で最適なISO感度を設定してくれます。
明るければ感度を下げて画質を優先し、暗ければ感度を上げて手ぶれしにくいシャッタースピードを選択します。
ISO感度オートであれば、明るい場所や暗い場所などほとんどのシーンに対応できるので、私たちは撮影に集中すればいいだけです。
ただし自分の意図する露出にならない時もあるので、その場合はオート機能をオフにして自分でISO感度を設定するようにしましょう。
ISO感度オートまとめ
ISO感度オートは時間をかけてカメラの設定ができない時、シャッターチャンスを逃したくない時などに非常に役に立ちまし、ISO感度の上限さえ設定しておけば、それ以上にISO感度が上がって画質の低下を招く恐れはありません。
そのためには自分の許容範囲を知っておくことが大切ですので、いくつかISO感度を変更してノイズを確認しながら自分の許容値を見つけてください。
以上、<ISO感度オートを上手に使おう!低速限界設定と組み合わせることで撮影に集中できる。>という話題でした。
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